【Illustrator】簡単3ステップで立体感のあるイラストを描く!

立体的な表現をしたいけれど、どうすればいいのかよくわからない……。

そんな時はやることを整理して、ひとつひとつ効果をかけていけば、驚くほど簡単に立体的な表現をすることができます。ぜひ試してみてくださいね!

スポンサーリンク

今回は簡単な3つのステップで、赤丸を立体的なリンゴにしていきます。

kansei
完成予定図
使用ソフト:Adobe Illustrator CC

はじめに

突然ですが、青い四角の中に、空を表現したい時。あなたならどうしますか?
m_sora000

雲や鳥や太陽を描く?それもいいですね。
m_sora001

ちなみに、私ならこうします。
m_sora002
どうでしょう。

単純なグラデーションを2つ追加しただけなのに、左上の太陽と、下方に広がる大地と、その間に広がる空を感じませんか?

光について学ぶと、それだけで表現の幅が広がります。目に映る世界が変わります。

今回は「光」に関して、ごくごく簡単に触れるだけにとどまりますが、このエントリーをきっかけに、私達をとりかこむ「光」について興味を持っていただければ幸いです。

ではチュートリアルをはじめてみましょう。

Step0 光源と空間を決めよう

リンゴを描こう!と思ったとき、きっと皆さんは「リンゴの形」や「リンゴの色」を考えるはず。

「半分に切られた形にしようかな……」「青りんごにしようかな……」

立体的な表現にしたい時は、それに加えて「リンゴに当たる光」や「リンゴがある場所」も一緒に考えてあげましょう。

「太陽の光?白熱灯?ランプの光?」「木になっている?スーパーの棚?食卓の上?」

一気に色々考えると大変なので、はじめは「光源の位置」と「リンゴは浮いているか、そうでないか」くらいからはじめてみましょう。

では一番簡単そうな、「赤」くて「カットされてない」、「上からの光に照らされた」「白い床の上にある」リンゴを描いていくことにします。

Step1 リンゴがつくる影を描く

m_140515-001
赤くて切られていないリンゴを描きました。毛糸のついた日の丸?いいえ、リンゴです。このリンゴを立体的にしていきます。

まずはリンゴがつくる「影」を描いていきましょう。

光源は上に設定しているので、リンゴの下側にぼ〜んやり影を落とします。リンゴは赤いのでほーんのり赤みをつけました。
m_140515-002
今回はグラデーション+不透明マスクを利用して影を作りました。シチュエーションによっては「ドロップシャドウ」「ぼかし」なんかを使ってもいいですね。

とりあえずこれで、毛糸のついた日の丸ではなくなりましたw

Step2 リンゴの陰影を描く

さて、次はリンゴそのものに「明るい場所」「暗い場所」を追加していきます。

パスを引くのは大変なので、簡単なグラデーションを3つ追加してみます。

暗い場所を描く

まずはリンゴ全体の陰を描きます。光源は上だしリンゴは丸っこいので、今回はよくある球体用のグラデーションをそのまま使います。下のほうが明るくなっているのは、白い床に反射した光を表現するためです。反射光でググってみてください。
m_140515-003

 

次に、ヘタの辺りの陰をグラデーションで描きます。

まずは、こんな感じのグラデーションを用意。
m_140516-0003

このグラデーションを穴っぽく見せるため、グラデーションの始点を移動させます。

m_1405161704541 3

カーソルを、グラデーションの始点(白丸)に合わせるとカーソルの横にXが表示されます。

 

m_1405161705511 2
その状態でドラッグ。グラデーションの中心を右下に移動させます。

 

m_140516-0004

よくわからなければ、グラデーションの楕円の外側をクリックしてみてください。同じようになります。
m_140516-0008 2
無事、2つ目の陰が出来上がりました。
m_140515-004

これら陰の描画モードは乗算に設定します。

明るい場所を描く

リンゴはわりと光沢があるので、ハイライトを少し追加してあげます。

m_140515-005
見やすいように背景を黒く、不透明度を100%にしていますが、実際には不透明度を60%、描画モードはオーバーレイに設定しました。

実際に陰影をつける

先ほどのグラデーションをリンゴに追加してみましょう。

m_140515-006
おおおおおー。一気にリンゴっぽくなりましたね。もう日の丸なんて言わせない!

Step3 リンゴの周りの陰影を描く

これだけで十分な気もしますが、もうひと手間を掛けると一気に見栄えが良くなるので、あと少し頑張りましょう。

最後にリンゴを囲む空間を表現します。

空間を表現するといっても、背景を細かく描く必要はありません。今までと同じように、グラデーションを使って少しだけ光を表現してあげればよいのです。

楕円形のグラデーションを描きます。リンゴは赤いのでほんのりピンクにしました。
m_140515-007

早速、リンゴをこのグラデーションの中に置いてみましょう。
m_140515-008

どうですか?簡単なグラデーションを追加しただけなのに、リンゴの存在感が増しました。

あっという間に「赤」くて「カットされてない」、「上からの光に照らされた」「白い床の上にある」リンゴの出来上がり!

毛糸のついた日の丸でも、陰影だけでここまで表現できるんです。

(Step0 モノだけでなく、モノの周りも考える)
Step1 モノの影を描く
Step2 モノの陰影(明るい所・暗い所)を描く
Step3 モノの周りの陰影(明るい所・暗い所)を描く

この3つの表現を意識するだけで、簡単に立体的な仕上がりになります。ぜひみなさんの作品にも活かしてみてくださいね!

さいごに

Illustratorを使っていると、どうしても「輪郭」を中心に表現を組み立ててしまいがち。

ですが、実生活において「輪郭」は「色・明暗」ほど重要ではありません。(もちろん文字などはその限りではありません)

なぜなら、脳は「色・明暗」から「輪郭」を補うことができますが、その反対はできないからです。

印象派絵画などは輪郭がはっきり描かれていませんが、描かれている場所や人物などを理解することができます。それは「色・明暗」がちゃんと描かれているから。

私達は光にかこまれ、光の中に生きています。そして光の生み出す「色・明暗」という情報を通して、多くのことを知覚し、判断しています。

だから、アートボードの中に光の要素を少し加えてあげるだけで、見た人はそこに「空間」を感じてしまうのです。

Illustratorを使う時「輪郭」はとても大切な要素です。でも、立体的な表現をしたいなと思った時、私達をとりかこむ「光」について、少しだけ意識を向けてみてください。「光」について少し学んでみてください。表現の幅がぐーんと広がりますよ。

最後に、私に「光」の大切さを教えてくれた一冊の本をご紹介します。

アメリカの現代イラストレーターの一人であるジェームス・ガーニーが、自身のアート制作の経験と知識を分かりやすく解説した本です。

私はこの本を読んで、世界が一気に広がりました。モノの見方が変わりました。外に出る度に、「光」についての新しい発見があって、憂鬱だった通勤時間が楽しくなりました。

まだ内容の半分も理解できていませんが、私の人生に大きな影響を与えてくれた一冊です。

いやいや、ちょっと盛ってるだろ?というくらい、褒めちぎっていますが、全部本当です。この本は名著です。超名著です。チョウメイチョ!

4000円と結構なお値段ですし、このブログの読者はデザイナー系の人が多いようなのでアレですが、イラスト系の方には心の底からオススメできます。いや、でもやっぱりデザイナー系の人にも読んで欲しい……ッ!

「光」について興味をもった方、「色」について本格的に学んでみたいと思った方は、ぜひ手にとってみてください。人によっては、人生に影響を与えてくれるレベルの一冊です。

(もし本屋で立ち読みする時は、Chapter2、Chapter3、Chapter9がオススメ!)

以上、立体的な表現に関するエントリーでした。最後までお付き合いいただきありがとうございました。