Illustrator日英対訳表をCC2019対応版に更新しました。

Illustratorでリアルな目・瞳を描くチュートリアル(後編)

さて、今回は前回に引き続き「Illustratorでリアルな目を描くチュートリアル」です!今回は主に目尻・目頭、瞳への映り込み等細部を描いていきます。では早速いってみましょう。

20131026194605_min
完成予定図 使用ソフト:Illustrator5.1

前編のチュートリアルはコチラ→Illustratorでリアルな目・瞳を描くチュートリアル(前編)

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Step1 黒目への映り込み

黒目への景色の映り込みを作ります。一応それっぽくなる手順を説明しますが、線を引くのが得意な人は最初から黒目の上に線を引いたほうがいいとおもいます。(元も子もない)
20131020000633_min
長方形ツール/Rectangle
幅/W:200px 高さ/H:100px

 

ビル群を見つめているイメージの映り込みを作りたいので、長方形ツールや、多角形ツールで建物を描いていきます。

20131020000840_min
長方形ツール/Rectangle
多角形ツール /Polygon

 

20131020000854_min
効果>パスファインダー>前面オブジェクトで型抜き
Effect > Pathfinder > Subtract

 

 

空の色をつけていきます。さわやか~。

20131020001411_min
グラデーションツール/Gradient
角度/A:-96.5°
R:  41 G:145 B:226
R:    0 G:255 B:255
R:255 G:255 B:255

 

20131020001412_min
透明/transparency
オーバーレイ/Overlay

 

20131020002130_min
こんな感じで配置。

 

目玉は球体なので、そこに写り込んだ景色は歪みます。その歪みを表現するために今回は膨張ツールを使ってみました。
まずはグローバルブラシの設定をして。

20131020002212_min
膨張ツール /Bloat
幅/W:400px
高さ/H:400px
角度/A:0°
強さ/I:10%
詳細/D:6
単純化/S:5

 

 

図の辺りをカチカチクリック。

20131020002253_min
膨張ツール /Bloat

 

 

20131020002316_min
いい感じで歪みましたね。でも、このままだと黒目からはみ出してしまっているので、クリッピングマスクを作ります。

 

 

暗い影をコピー。

20131020002703_min
コピー/Copy

 

 

さらに黒目をコピー。

20131020002833_min
コピー/Copy

 

 

この2つを重ねて型抜き。
20131020003041_min
効果>パスファインダー>背面オブジェクトで型抜き
Effect > Pathfinder > Minus Back

 

 

出来上がった図形と、映り込みを選択してクリッピングマスクを作成。

20131020003125_min
クリッピングマスク/Clipping masks

 

 

20131020003202_min
外の景色にみえますかね?どうでしょう。

 

 

続いて「映り込みと、クリッピングマスクのグループ」に効果をつけます。

20131020003355_min
透明/transparency
オーバーレイ/Overlay

 

 

映り込みそのものは通常のままです。

20131020003356_min
透明/transparency
通常/Normal

 

わかりにくくてすみません。こんな感じで、映り込みそのものは通常、クリッピングマスクとセットになったレイヤーはオーバーレイにして下さい。

20131020003357_min
黒目(通常/Normal)
–映り込み(オーバーレイ/Overlay)
—-クリッピングマスク
—-映り込み(通常/Normal)

 

Step2 瞳孔への映り込み

まぁ、このままでも良いのですが、瞳孔へも映り込みがあるとグググッと質感が出るので、瞳孔への映り込みを作っていきます。

虹彩に深みを出すために作ったギザギザオブジェクトをコピー。

20131020031733_min
コピー/Copy

 

 

効果を入れて、黒目へ映り込みを反映させます。

20131020031936_min
透明/transparency
通常/Normal
不透明度/Opacity:15%

 

 

こうすることで、瞳孔部分への映り込みが反映されます。ただ、若干瞳孔部分が濁ってしまうので、どうしても真っ黒がいい!という方は、型抜いたりして反映させて下さい。

 

で、いまさらながらビル群のパスを微調整。この辺はお好みでお願いします。

20131026154700_min
アンカーポイントの切り換えツール/Convert Anchor Point

それっぽく見えるコツは

  • 空が適度に見えること
  • 瞳孔への映り込みも適度にあること

かなー、と今回描いていて感じました。

Step3 黒目の立体感を出す

続いて、黒目部分の立体感を出していきます。さきほど作ったクリッピングマスクのパスをコピー。

20131026155110_min
コピー/Copy

 

写真を取るのを忘れてしまいましたが、縮小。

拡大・縮小ツール/Scale
縦横比を固定/U
拡大・縮小/S:90%

 

 

グラデーションとオーバーレイ効果をかけます。

20131026155658_min
グラデーションツール/Gradient
R:165 G:165 B:165
R:130 G:130 B:130
R: 95 G: 95 B: 95

透明/transparency
オーバーレイ/Overlay

Step4 白目への映り込み

次は、白目への映り込み。白目って湿っているので、よーくみると若干光っているんですよね。なので、レイヤーを重ねて光ってる感じを出していきます。ま、これもパスを引いたほうが(以下略。

 

 

三角形を描きます。適当でいいです。
20131026164835_min
三角形/triangle
幅/W:95px 高さ/H:150px

 

 

20131026164836_min
R:180 G:180 B:180

 

 

黒目の時と同じように、型抜きするための図形を描いていきます。
20131026165155_min
長方形ツール/Rectangle
多角形ツール /Polygon

 

で、型抜き。
20131026165240_min
効果>パスファインダー>前面オブジェクトで型抜き
Effect > Pathfinder > Subtract

 

 

目玉の球体に合わせてこちらも歪ませていきます。まずは、回転。
20131026165241_min
回転ツール/Rotate
角度/A:-90°

 

 

今回はワープオプションを使ってみます。

20131026165455_min
効果>ワープ>でこぼこ
Effect > Rasterize > Bulge
水平方向/H
カーブ/B:40%
水平方向/O:-35%
垂直方向/E:0%

 

 

こんなもんかなー、ってところでアピアランスを分割。

20131026165623_min
オブジェクト>アピアランスを分割
Object > Expand Appearance

 

 

アピアランスを分割後に、効果をかけていきます。これの順番を間違えると、後からかけた効果も分割されてしまい、レイヤーグループになったりします。分割のタイミングには気をつけて下さい。

20131026170658_min
透明/transparency
オーバーレイ/Overlay

光彩(外側)/Outer Glow
描画モード/M:通常/Normal
ぼかし/B:6px

 

 

20131026170725_min
こんな感じで配置。

 

 

20131026170856_min
角度を変えたり、大きさを変えたりして微調整。

 

 

反対側用にリフレクトコピー。

20131026170909_min
リフレクトツール/Reflect
垂直/V
コピー/Copy

 

 

20131026170932_min
配置してみました。んー、どうでしょう。

 

Step5 目尻と目頭を描く

さて、目玉の方も出来上がってきたので、目尻と目頭を作りましょう。

まずは楕円形ツールで基礎となる図形を作ります。

20131026171721_min
楕円形ツール/Ellipse
幅/W:135px 高さ/H:135px

 

 

左側のアンカーポイントを選択、移動。豆っぽい形を作ります。

20131026171942_min
移動/Moving
水平方向/H:60px
垂直方向/V:0px

 

 

豆ができたら、肉っぽい色をつけていきます!豆と肉って相性抜群!

20131026172518_min
グラデーションツール/Gradient
角度/A:-9°
縦横比/Aspect Ratio:175%
R:255 G:255 B:255
R:210 G:116 B:154
R:217 G: 62 B:112
R:162 G: 23 B: 70

 

 

血管が透けてる感じを出すために、光彩(外側)をかけます。これ大切。

20131026172717_min
光彩(外側)/Outer Glow
描画モード/M:通常/Normal
不透明度/O:100%
ぼかし/B:24px
R:255 G:100 B:165

 

 

目頭の完成です。目頭を元に目尻を作ります。リフレクトコピー。

20131026173026_min
リフレクトツール/Reflect
垂直/V
コピー/Copy

 

縮小ツールで少し細くします。

20131026173210_min
拡大・縮小ツール/Scale
縦横比を変更/N
水平方向:80%
垂直方向:100%

 

目尻用の色をつけます。あんまり見えないので適当でいいです。

20131026173650_min
グラデーションツール/Gradient
角度/Angle:-180°
縦横比/Aspect Ratio:125%
R:170 G:40 B:50
R:175 G:10 B:35
R:120 G: 0 B:45

 

 

目尻が出来あがりました。部品は完成です。さっそく配置しましょう!

目頭を回転させて配置。

20131026173946_min
回転ツール/Rotate
角度/A:-13°

 

 

20131026174025_min
こんな感じ。
(撮影時まだ皮膚テクスチャにクリッピングマスクをかけていなかったので、まぶたの縁が若干ギザギザしていますね、わかりますか?)

 

 

 

20131026174034_min
目尻はこんな感じ。あんまりグラデーションの意味がありませんでしたね。どんまい!

 

20131026174059_min
おぉ、ちょっとそれっぽくなってきたと思いませんか?思いますよね?思ってるって言って!!

 

Step6 目の血管を描く

僕らはみんな生きている!生きているからチュートリアルが楽しんだ!というわけで、生きている人間の証、血管を描いていきます。

 

の、前に毛のブラシを作ります。このブラシは後でまつげにも使います。もともと毛っぽいブラシを持っている方はそれを使っていただいて構いません。

 

 

多角形ツールで三角形を描き、

20131026175832_min
多角形ツール /Polygon
半径/R:100px
辺の数/S:3

 

 

回転ツールで向きを変えて、

20131026175849_min
回転ツール/Rotate
角度/A:-90°

 

 

一気に細くして、毛のようなオブジェクトをつくります。

20131026175925_min
拡大・縮小ツール/Scale
縦横比を変更/N
水平方向/H:100%
垂直方向/V: 2%

 

 

 

でも、このままだと生え際がとんがってしまうので、尻尾の方の真ん中にパスを追加

20131026180004_min
アンカーポイントの追加ツール/Add Anchor Point

 

 

 

移動させて、アンカーポイントの切り替えツールで丸くします。

20131026180021_min
移動/Moving

 

 

20131026180031_min
アンカーポイントの切り換えツール/Convert Anchor Point

 

 

オブジェクトを選択して、新規ブラシを登録します。

20131026180123_min
新規ブラシ/New Brush

 

 

20131026180548_min
アートブラシ/art brushes
幅/W:100% 固定/Fixed
縦横比を保持して拡大・縮小/Scale Proportionately
色合いをつける/Tints
キーカラー/Keycolor:黒/Black

 

 

無事、ブラシが出来上がったら、早速血管を描いていきます。

 

ブラシツールで適当に線を描きます。

20131026181252_min
ブラシツール/Paintbrush
R:255 G:155 B:190

 

 

血管のうねうね加減を出すために、ジグザグ効果をかけます。簡単にそれっぽくなるので、我ながらいいチュートリアルだと思っています。
20131026181415_min
効果>パスの変形>ジグザグ
Effect > Distort & Transform > Zig Zag
大きさ/Z:3px (入力値/A)
折り返し/D:1
ポイント/Point:滑らかに/S

パスによって見え方が変わってくると思うので、適宜数値を変えて描いていってくださいね。

 

アウトライン化。

20131026181524_min
パスのアウトライン/Outline Stroke

 

同じ手順でこちょこちょ描いていきます。

20131026182305_min

 

 

反対側にも置きたいけど、また描くのが面倒なのでリフレクトコピー。

20131026182334_min
リフレクトツール/Reflect
垂直/V
コピー/Copy

 

20131026182438_min
配置してみました。ちょっと生きものっぽくなってきましたね。やっぱり血管は大切です!
(すみません、画質が荒くてよくわからないですねw)

Step7 まつ毛と、まつ毛の影と、ハイライトを描く

さて、そろそろチュートリアルも終盤に差し掛かってきました。ここまで読んでる人いるんでしょうかね?

先ほど作った毛ブラシを使ってシャカシャカまつ毛を描いていきましょう。

20131026182725_min
シャカシャカ

 

 

20131026183921_min
はい、こんな感じ。ドロップシャドウとか入れるといいかもしれませんね、私は入れるの忘れちゃったんですけど!

 

 

下まつ毛も描いちゃいました。下まつ毛は線幅を細くして華奢な感じをだして下さい。今、朝の6時ですよ。いつになったら終わるんだ!このチュートリアル!

20131026183938_min
線幅/weight:0.25pt

 

 

 

続いて、黒目に映るまつ毛の影を描きます。

まずは上まつ毛をコピー。

20131026190116_min
コピー/Copy

 

 

色を薄くして、効果をかけます。

20131026190256_min
透明/transparency
乗算/Multiply
R:150 G:150 B:150

 

 

 

ブラシの設定を変更します。
20131026190936_min
軸に沿って反転/Flip Along

 

 

20131026191056_min
逆さまになりました。

 

 

 

まつ毛のグループを解除して、整列。

20131026191145_min
垂直方向上に整列

 

 

整列が済んだら、球体に映り込んでる感を出すために歪ませます。今回はエンベロープを使って歪ませてみましょう。いろんな事にチャレンジチャレンジ!

20131026191733_min
楕円形ツール/Ellipse
幅/W:300px 高さ/H:300px
(黒目のコピーでもいいんですけど、アピアランスを消すのが面倒くさいので描きました)

 

 

 

20131026191850_min
オブジェクト>エンベロープ>最前面のオブジェクトで作成
Object > Envelope Distort > Make With Top Object

 

 

 

20131026191911_min
どじゃーん。

 

 

このままではアレなんで、変形。

20131026192301_min
拡大・縮小ツール/Scale
縦横比を変更/N
水平方向/H:100%
垂直方向/V: 50%

 

 

20131026192419_min
重ねてみました。はみ出ていますね。めん(略……マスクを作ります。

 

 

黒目をコピー。

20131026192555_min
コピー/Copy

 

 

まつ毛の影とコピーした黒目を選択してクリッピングマスクを作成。

20131026192627_min
クリッピングマスク/Clipping masks

 

 

 

20131026192720_min
どうでしょう。なんか、瞳に立体感が出てきたと思いませんか?

 

 

最後に瞳にハイライトを入れます。命を吹き込むというやつですね。レイヤーの位置としては黒目グループに入れてください。

20131026192721_min
楕円形ツール/Ellipse
幅/W:40px 高さ/H:20px
R:255 G:255 B:255

 

 

20131026192722_min
Illustratorで描くリアルな目・瞳の完成です!!!!!

Step8 まとめ

いやー、長かった!本当に長かった!というわけで、最後にレイヤーのご紹介。勝手に名前をつけていたり、レイヤーグループ化しているので、あまり参考にならないかもしれませんがどうぞ。

 

20131026192901_min
全体のレイヤー。

 

 

 

20131026192918_min
まつ毛のレイヤー。

 

 

 

20131026193336_min
目の周りのレイヤー。

 

 

 

20131026193435_min
まつ毛の影レイヤー。

 

 

 

20131026193534_min
目尻・江頭目頭レイヤー。

 

 

 

20131026193624_min
黒目レイヤー。

 

 

 

20131026193648_min
白目全体影レイヤー。

 

 

 

20131026193703_min
白目レイヤー。
(もうお気づきかもしれませんが、これ、無くても見た目は変わりません。でも途中まで白目が無いのも嫌なので基本の白目として作ってあります。)

 

長々とお疲れ様でした!こうした大作はなかなか難しいですね……。今回は自分で描いておいて、どうしても自分で再現できない部分があったので、次回はもうすこしチュートリアル作成スキルをアップさせて挑みたいです。

前編チュートリアルはコチラ→Illustratorでリアルな目・瞳を描くチュートリアル(前編)

 

20131027144822_min
最後までお付き合いいただき、本当にありがとうございました。これからもチュートリアルマニアックスをよろしくお願いいたします。